Tenko

ヤギはいなかったが・・

月光荘の日常 てんこ

急に肌寒い。
この二日間くらい、春ちゃんの門出を祝いに来る人で賑やかな月光荘でした。
春ちゃん、よかったね。と心の中で何回も言いました。
春ちゃんが月光にいた日々を祝い、そして門出を祝いました。

はじめて月光に来た時に、春ちゃんがいてアーサーをざるで乾かしていた。
難しいのね・・だから高いのねぇって言って。
それからは、ほぼ毎日顔を合わせて本当に一緒によく話した。
なかなかな秘密を打ち明けあったり、お互いの性質を分かり合ったり。
それぞれが少しずつ学び、少しずつ変化していった年月。

2012年 初春
はじめて来る沖縄で(貯まったマイルがちょうど羽田↔︎那覇だったので)
ヤギを飼っているなら、ここにしようと決めた月光荘(ヤギはいなかったけど)

私はその頃、これからどうするか迷っている時期でしばらく何処かで一人で考えようか・・としていた途中だった
何泊目かの月光荘のベッドの二階で眠りからさめてぼうっとしていたら、大ちゃんが新聞の記事を話題にしていて禁酒法が布かれたらどうする?って春ちゃんに聞いている声だけが届いて
のんびり可笑しい二人のやり取りにベッドの上で声を出して笑った。
多分半年くらい、そんな風に笑うのを止めていた私は自分の身体にまた血が巡り出したように感じた。

一旦、東京に帰って夜の明薬通りを独りで歩いていたら沖縄のことが恋しくなったので、イヤフォンをポケットから引っ張り出して聴いたa-kopeの「月の宿り」
そんなことがあり、私の那覇での暮らしが始まりました。
たくさんの人の胸の中に、いろんな「春ちゃんと私」があるんだろうなと思います。

まあ、行き先は栄町。歌声酒場、その名も「春ちゃん」
大ちゃんも、真理ちゃんも一緒だし、何が変わるわけでもないけれど。でも、そんな境目を迎えていました。

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